②考察・感想 モボ『二十面相』〜遠藤平吉って誰?〜
②考察・感想
考察と言ってるけど、基本そういう考えもあるんだな、確かにな、で納得してしまう人なので、
あまり読み応えはないと思います。
このブログ、自分の考えの整理に使ってるのもあるので悪しからず。
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原作を読んで予習したイメージと違い、
明智が自分が想像していたよりもサイコパスに描写されていると感じました。
確かに冷静になって考えれば気をそらすために物置に火をつけるとかヤバすぎなんだけどね。笑
これは「正義の明智と悪の二十面相」という前提イメージが強いせいなのか、
文章だと、そのアウトローな場面がすぐ次の文章を読み進めるためにさらっと流してしまうからなのか…
(カズマさんの大きいリアクションをみると、あぁそうだよな、普通ありえんよなww、と強く印象付けられた)
明智と二十面相が似ている、表裏一体である、というテーマを軸に作られている。
とはいえ、「明智=二十面相」というテーマにしては、
明智の「狂」のシーンに大きく焦点が当てられていたように感じた。
原作の明智は「心配するんじゃないよ」と小林をなだめるようなシーンでも分かるように、
落ち着いた冷静な印象を抱いた。
静かに多くを語らず物事を解決していく、
どちらかといえば内に秘めた「狂」である。
映像作品は観ていないのでどうか分からないが、
小説の文面では私が感じ取れなかった明智の「狂」を、監督が目に見える形で表現したのがこの舞台なのであろう。
舞台上で倒れ、膝や肘をつき、頭を抱え、高笑いをしながら狂う明智。
その透明怪人のシーン(二十面相がコックに化けている明智に対して「自分の替え玉になれと命じた」と告白したシーン)では、
狂う明智も、高笑いする描写もありません。
淡々と事件の種明かしをしているのみです。
(この時の明智の表情は読み取れないが。)
「明智=二十面相」を軸としている今回の舞台では、
二十面相がただの怪盗ではなく、明智と対決するのを楽しむように、
明智もただの探偵ではなく、二十面相と対決するのを楽しんでいる。
二十面相がまんまと騙されたことが、明智には嬉しくて面白くて、"快感"なのだろう。
その後のニヤリとした静かなる含み笑いも含めて、今回の舞台の肝だと思っています。
そのような解釈の一つを客に考察させる面白い舞台であると感じた。
もちろん原作に様々な解釈があるように、この舞台の解釈も演者ひとり、客ひとりそれぞれの解釈があると思う。
私自身、原作に感じたものとはまた違った解釈や違った視点から見ることが出来て、この舞台の醍醐味を感じることが出来、とても面白かったです。
あともう1つ、解釈、視点の違いということでいえば、「同性愛」や「少年愛」。
小林に向けた明智や二十面相の愛の向け方です。
原作で二十面相が予告状で小林に関して、「可愛いと思っている」と書いた場面は読んだのですが、
「姑息なヤツめ、今にみてろよ」的な皮肉を込めた「可愛い」だと思っていたので
「ガチ」と捉えたこの舞台は新たな発見でした。
女装した小林に「キレイだ…」という明智のシーンとか
確かにそこ小林に変装させるのに女装必要か?って時もあるし、
明智に関しては個人的趣味って感じしますね。笑
そしてそれに毒された小林。笑
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vol.11 異担侍日報侍ふ 矢花ブログ(21.07.01)
私は正直哲学という学問は苦手なんです。
大学でも授業取ったことありましたけど、
抽象的で、「で、結局何が言いたいの?」みたいなw
でも身近なことについて脳内で考えることは好きですね。
でも文章にすることは苦手です。笑
なのでこのブログも読まないで欲しいです。
(ここまできてるなら読んでますね、すいませんw)
矢花くんのブログ拝見して再認識しましたが、
抽象的なことが好きな矢花くんが、
"想像させる"舞台で、
"想像させる"明智を演じたこと、
本当にめぐり逢いだなと感じました。
矢花くんの初外部舞台、初主演がこの舞台でよかった。
矢花くんを通して、私をこの舞台に、この原作に触れ合う機会をくれて本当にありがとう😊